『わが幼少時代のポルト』

わが幼少時代のポルト

 「ポルトガルの巨匠 マノエル・ド・オリヴェイラ監督特集」から映画『わが幼少時代のポルト』(2001年、ポルトガル=フランス、61分、カラー)を映像文化ライブラリーで、観客は15人ほど。
 原題はPORT DA MINHA INFANCIA。
 監督の生れ故郷であるポルトガルポルトポルトワインの生産地でもある。
 冒頭、ポルトの生家が映し出されて映画は始まる。
 1908年に生れた監督の生家、ポルトの街のオリヴェイラ菓子店(今は菓子店ではない)、大西洋の海岸に波が打ち寄せる光景、博覧会が開かれた会場、大西洋を1922年に渡った飛行機、市街電車、劇場、その記録フィルムや写真の映像とともに、幼少の頃に出合った子供時代の思い出がつぎつぎと流れるようにエピソードとともに描かれる。
 ナレーションでさまざまな仕事を経たのちに映画の仕事をするようになったのだと語るのだった。
 回想的に映像美とエピソードでつづった自伝的な映画である。
 遊覧船がポルトから川を遡って運行されている。ポルトの街は川をはさんで町並みが広がっている。
 川を跨いで架かった優美な曲線の見られるアーチ橋が、繰り返し映され印象に残る。