夜、すみよしさんが住吉祭をやっていたので橋から漕ぎ伝馬船を眺める。
橋は交通が止められていて、人々がそぞろ歩きで一杯だ。
境内に舞台が造られて神楽を舞っている。群がって神楽を見たり、並んでいる夜店の間を歩く人で混雑している。
蕪村の句に、「涼舟舳(すずみぶねへ)にたちつくす列子かな」。明和年間の句。
CD「上方落語特選 笑福亭仁鶴 第三巻 壺算・湯屋番」を聴く。
「壺算」は、買い物の噺である。二人の男が瀬戸物町(せともんちょう)へ壺を買いに行く。
安く買う駆け引きをめぐるやり取りが聴きどころである。
ああ、お越しやす。
足元を見られんように、壺を安く買う言葉を言うのだが、しどろもどろになって・・・。
三円五十銭のところを三円に値切って買う。
いったん店を出ると、戻って水壺を返して、三円の壺の二倍の量を六円で買うと提案する。
二人は、要らなくなった壺の代金を三円分と最初に払った代金三円とで六円を払ったと言って店を出ようとする。
瀬戸物屋が、お客さん三円足りないと言って引き止める。
何度も主(あるじ)と二人の客が計算する。数字の錯覚を利用して巧妙に買う客と、それに騙されんように計算する主(あるじ)との双方のやり取りが複雑に絡まって、「なんやらようわからんようになりました」と主。
ややこしいじゃろ、それがこっちの思う壺じゃ。
「湯屋番」は、大工の親方の家の二階に居候している若旦那の噺。大工夫婦の女房の機嫌が悪い。
それで、若旦那を銭湯へ奉公に出すことになる。