ニガウリとチチンプイプイ

ニガウリ

 23日は二十四節気のひとつ処暑である。暑さが落ち着く時期の意という。
 夜明け前に目覚めた。
 外へ出ると、まだ暗い。東の空に、明けの明星が眺められた。
 金星はまばゆいばかりに輝く。高度は30度ほどである。
 東南東に低く、シリウスの輝きが淡く夜明けとともに朝焼けの空に消えて行った。
 爽やかな朝の風に吹かれてニガウリを収穫する。29センチと30センチ。 
 書店で貰った講談社のPR誌「本」2009年9月号の「珍品堂目録」81は、「永遠の童心――『長新太のチチンプイプイ旅行』」を池内紀さんが採り上げていたので興味深く読んだ。

 良質のナンセンス漫画は永遠の童心がないとつくれないし楽しめない。そしてナンセンスのセンスには、おのずと批評が入っている。タコの山に入り、ゾウクジラをながめ、巨大国を右往左往する旅とくらべ、オトナたちのツアー旅行は、なんと貧しいことだろう。見たものよりも夢見たもののほうが、美しく、より新鮮で、より印象深いものなのだ。  29ページ

長新太のチチンプイプイ旅行

長新太のチチンプイプイ旅行