ロバート・キャンベル氏の話3

 ラジオ深夜便の「人生私流」でロバート・キャンベル氏の「私が江戸の文化を好きになった理由」の後半で、江戸文学の何が面白いかが語られます。聞き手は榊寿之アナウンサーです。

 江戸時代の小説にしても随筆にしても自叙伝や手紙にしてもそこに書かれている人が面白いんですよ。

 人間の書き方捉え方が面白いんですよね。
 社会がしっかり身分制度があって、停滞した社会といわれますが、そのなかである意味よく構築されたバランスが保たれた社会のなかで、その範囲のなかで個人がですね、非常に遊びといいますか、自分が生きる余白を見出すことが出来たわけですね。
 江戸時代ほどエキセントリックな人たちがはびこる時代といいますか、社会のなかで許されて、あるいはいたわりをもって接することがあったという時代は、日本の長い歴史のなかではなかったような気がするんですね。
 「エキセントリックっていうことは変わった人ということですよね。奇人とかね・・・。」
 奇人がやたらと多いわけですね。それは士農工商という身分制度というものがあって、そのなかで(ルール)コードがあるんですね。そのコードを大きく踏み外すさない限り、その中でかなり自分で裁量するといいますか、自分を行ったり来たりする。
 この階級を超えたり、交流をしたり。あるいは階級からちょっと抜けて行って、あることに自分をとことんこだわったり、極めたりする人たちが非常に多いわけなんですね。