『風の中の牝雞(めんどり)』

 「生誕100年 田中絹代上原謙特集」が11月、12月と映像文化ライブラリーで開催されている。
 27日、小津安二郎監督の映画『風の中の牝雞(めんどり)』(1948年、松竹、83分、白黒)が上映された。観客は15人ほど。出演は佐野周二田中絹代、村田知英子、笠智衆
 復員して来ない夫(佐野周二)を待つ妻(田中絹代)と男の子、子供の急病で入院費用が払えなくなり、その費用を工面するために妻が犯した過ちを、復員してきた夫が知り妻を責める。その葛藤と和解に向かうまでを描いている。

 ラストのシーンで、犬が一匹すたすたと歩いて向こうからこちらへやって来る。
 この犬が一匹あらわれてやって来るのを見ていると、アキ・カウリスマキの映画『街のあかり』のラストに、犬が一匹あらわれているシーンを思い出した。なんとなくこの犬のシーンが似ている。
 アキ・カウリスマキの『街のあかり』に、この映画のラストの犬のシーンが「引用」されているような感じである。

 窓口で田中絹代「20世紀を演じた女優。」という松竹DVD倶楽部のチラシをもらう。