映画『決闘高田の馬場』

決闘高田の馬場

 4日は二十四節気のひとつ立春だった。今日も最低気温が氷点下で冷え込む。
 しかし、日が長くなり晴れて陽射しは強い。乾燥した天気だ。
 蕪村の句に、「日の光今朝(けさ)や鰯(いわし)のかしらより」。*1
 「名作映画 マキノ雅弘監督特集」が二月、三月と二ヵ月にわたって映像文化ライブラリーで開催される。
 
 初日の今日だが、マキノ雅弘稲垣浩監督の映画『決闘高田の馬場』(「血煙高田馬場」改題短縮版)(1937年、日活、50分、白黒)を観た。
 育て親の叔父の忠告も聞かずに、飲んだくれて自堕落な生活を送っている安兵衛。
 その叔父が御前試合で勝ったことで恨みをかい、相手から果し合い状を受け取る。
 決闘場所は高田馬場。飲んだくれていたために、叔父が一人で決闘に出かけたことを遅れて安兵衛は知る。これは一大事と奮起し、阪東妻三郎が演じる堀部(中山)安兵衛が駆けつける。
 急いで駆けつけるシーンはモンタージュで見せる。疾走感がよく出ている。
 高田馬場での乱闘場面で群集がはやし立て熱狂するシーンの躍動感がすごい。
 登場人物の軽妙なセリフのやり取りに味がある。武士の娘が安兵衛に惚れるシーンがいい。

*1:鰯のかしら:脚注に「節分の夜、門口に挿し、鬼よけの呪とした。」