映画『鴛鴦歌合戦』

鴛鴦歌合戦

 7日、映像文化ライブラリーの「マキノ雅弘監督特集」で『鴛鴦歌合戦』(1939年、日活、69分、白黒)を見に行く。午前の部で中高年の観客が多いのに驚く。
 上映の前に、学芸員の方が今回の2月、3月と2ヵ月に渡ってマキノ雅弘監督特集を開催することになった経緯などをマイクを手にして話される。東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品や映画会社に所蔵されている作品を集めて来ての上映だそうだ。
 めったに裏方の事情は聞くことはないので興味深く聞いた。
 映画評論家の山根貞男の選んだ必見のマキノ作品を中心にしたプログラムで、マキノ雅弘の「映画渡世」を振り返ります、とのこと。出来るだけ見ておこうと思う。
 『鴛鴦歌合戦』の鴛鴦の漢字はおしどりと読む。おしどりうたがっせん。
 クレジットタイトルに撮影・宮川一夫の名があった。
 片岡千恵蔵が演じる浪人とちょっと気のいい若殿様(ディック・ミネ)をめぐる恋の鞘当てを軽やかな歌と音楽とダンスで描いている。セリフが歌というのも文句なく楽しい。
 お春(市川春代)の骨董好きの傘張りの父・志村狂斎(志村喬)の歌声がなかなかいい声だ。
 傘張りの傘を干している広場で傘をつかったダンスが時代劇ということを忘れさせる。