映画『おしどり駕篭』

おしどり駕篭

 昨日は屋根に雪の積もったクルマ一台見かけた。
 今日も寒気が南下して連日冷え込む。
 「マキノ雅弘監督特集」で映画『おしどり駕篭』(1958年、東映、86分、カラー)を夜の部で観た。
 中高年の観客が多い。観る方に熱気がある。3月プログラムに、《左官屋の源太(中村錦之助)は矢場の看板娘・小蝶(美空ひばり)と恋仲だが、実は源太は城を飛び出した若者だった。藩主が急逝し、源太は世継ぎをめぐる騒動に巻き込まれいく。自作「弥次喜多 名君初上り」(1939年)をリメイクした時代劇ミュージカル。
 城を飛び出して江戸で武士を辞め左官屋をしている源太の元に、藩主が急逝したため長男・弦二郎(中村錦之助)を跡目相続させようと探しに、爺(じい)の善衛門(杉狂児)らが江戸へやって来る。
 国元では、国家老・黒木兵部(月形龍之介)が、急逝した藩主の次男三之丞(伏見扇太郎)に娘を嫁がせ跡目相続させようと画策している。
 それに待ったをかけた長老の松坂善衛門(杉狂児)らは、藩主の長男・弦二郎(源太)を跡継ぎにしようと躍起になって江戸へやって来た。易者に見てもらって運よく左官屋源太に出会う。
 源太は爺(じい)から国元の跡目相続の騒動を聞かされて戻ることにするのだった。
 恋仲の小蝶(美空ひばり)は矢場の当たり家を経営しているが、源太が国元へ戻るという大名行列を追って、店を休業して従業員を連れて旅で矢場を開きながら付いて行こうとするのだった。
 小蝶と店の女たちの歌って踊ってのシーンが楽しい。
 ラストに弦二郎(源太)と黒木一味とのチャンバラシーンがあって最後はめでたしめでたし。中村錦之助美空ひばりの二大スターによるミュージカル娯楽時代劇。脇役の中村賀津雄や中原ひとみが初々しい。
 シネマスコープのカラー映画で映像に迫力がある。