「梅ちりてさびしく成(なり)しやなぎ哉」

ハクモクレン

 12日ごろ、梅はすでに散って、ハクモクレンは湯飲み茶碗のような形だった。
 今日はその形の整っていた花弁が外側に開いて、まばゆいばかりに白い花弁で満開になっている。
 間近に寄って見ると、風に吹かれ枝が動くたびに、ハクモクレンの花も揺れて落ち着きがない。
 街路樹の柳の新芽も芽吹き始めている。
 蕪村の句に、「梅ちりてさびしく成(なり)しやなぎ哉」。
 「さびしく成(なり)し」の「なりし」、「成る」は角川必携国語辞典の説明によると、《「成る」は、手を加えなくてもしぜんにある状態に達する意味。》