まだ長ふなる日に春の限りかな

ヤマブキの花

 20日は二十四節気のひとつ穀雨。4月5日の清明から二週間、その間肌寒い日が多かった。
 四月になっても花冷えの日があったりと、天候が不順だった。アイスランドの火山爆発が気象に影響を与えているのでは?
 八重咲きのヤマブキが咲いていた。黄金色で鮮やかな花弁である。
 蕪村の句に、「まだ長ふ(う)なる日に春の限りかな」。花を惜しみ、春を惜しむ。

 『ユリイカ』2009年11月号は「特集・若冲」で、伊藤若冲の特集号。
 「若冲略年譜」を見ると、伊藤若冲は一七一六年の生まれだった。蕪村が生まれたのも享保元年(一七一六年)であるから、二人は同じ年に生まれている。

 「若冲略年譜」によると、
 《一七一六年(正徳六[享保元]) 1歳
 二月八日、京都高倉錦小路の青物問屋「枡屋」(通称「枡源」主人・三代目伊藤源左衛門の長男として生まれる(「若冲」号は大典より与えられた居子号)。母は近江の出身。》*1
 五月の新刊に角川文庫から狩野博幸著『伊藤若冲 Kadokawa Art Selection』が刊行されるようだ。
 もう一冊、鹿島茂著『鹿島茂が語る山田風太郎 私のこだわり人物伝』も角川文庫で。
ユリイカ2009年11月号 特集=若冲 〈動植綵絵〉・モザイク画・〈象と鯨図屏風〉…永遠に新しい絵師のすべて

*1:注:同年譜によると、大典蕉中(梅荘顕常)は一七一九年に近江の儒医の家に生まれる。