松本清張展

アオモンイトトンボ

 公園の池でクロイトトンボがハスの葉や睡蓮の葉のあちこちに見られた。
 ひっそりと葉に吸い付くように止まっている。静かなトンボ。
 一方、水面に一定の高さでオニヤンマが高速で飛び回っている。ぐるぐると何度も同じところを旋回している。オニヤンマは瞬時に池から離れて遠くまで飛び去るが、再び高速度で戻って来る。
 今月(6月)は、郷土資料館で開催中の「松本清張展」にあわせて、映像文化ライブラリーでミステリー映画を特集している。
 松本清張推理小説を映画化した作品が多数上映されるので見に通っているが、残念ながら見逃した映画がある。
 「特別展 松本清張展」の方は、4月から7月まで開催されているが、先月中旬に訪れることができた。 
 もらったパンフレットに、
 

清張がうまれたのは実は広島だという説があります。公的な記録では福岡県(小倉)の生まれですが、誕生記念の写真を広島の写真館で撮影しています。そのようなこともあり、広島には独特の思いがあったようです。

 その赤ん坊の時に撮影された記念写真と、撮影した写真館が当時広島に実在していたと分かる商工年鑑のような資料が一緒に展示されていた。ふうん。なるほどね。
 会場に清張の「机上の書棚の本」が展示されている。
 手を伸ばせば届くところに、進行中の仕事の資料を置いていたという。それらの本がガラス越しに並べられていた。
 その内訳は、
 

 『小説研究十六講』(木村毅著)
 『川柳江戸名物』(西原柳雨著)
 『岩波小辞典 西洋美術』(村田潔編)
 『伊能忠敬の測量日記』(藤田元春著)
 『神田古書店地図帳』
 『MONACO』
 『ペルシア文化渡来考』(伊藤義教著)

 『地図 Bayern』
 『LALシティ・ガイド・マップ VIENNA』
 『半七捕物帳 巻の二』(岡本綺堂著)*1
 『和仏辞典』



 

*1:岡本綺堂 一八七二〜一九三九年。明治から昭和期の劇作家・小説家。東京生まれ。本名は敬二。江戸情緒あふれる作品が多い。戯曲に「修禅寺物語」「鳥辺山心中」、小説に「半七捕物帳」など。  『角川必携国語辞典』