もう一人のつりたくにこのこと

 午後7時半過ぎに東の空に木星が昇っていた。地球から見て、巨大な惑星だということが肉眼で実感できる星である。観望するにはいい時期である。木星といえば、ジェイムズ・P・ホーガンの『星を継ぐもの』と『ガニメデの優しい巨人』を思い出す。
 朝晩が急に肌寒くなる。昼は30℃になるが、早朝が22℃である。子規の句に、「首途の用意して寝る夜寒かな」。旅に出る前の晩の句かな。明治二十八年の句。
 それはさて置き、連続テレビ小説ゲゲゲの女房」関連で、つりたくにこが話題になっているようだが、[書評]のメルマガvol.464、2010.09.10.発行で、太郎吉野の《「漫画’70s主義〜オッサン目線な漫画の地平〜」「つりたくにこ」を探して高砂へ》が面白かった。つりたくにこの生まれた土地を訪ねた太郎吉野の文が読ませる。
 『六の宮姫子の悲劇』が刊行された頃の少し前の時期のガロに、もう一人あまり話題になることのない漫画家に茂谷いずみがいる。
 発表が短期間だったからか、忘れ去られたようになっている。
 寡作だった茂谷いずみの作品集がないのは残念だ。
星を継ぐもの (創元SF文庫)ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)