7日は二十四節気のひとつ立冬だった。小春日和がつづく。
昨日は快晴で空は黄砂に覆われて、遠くの山並みが霞んでいた。
今日も晴れて気温は高く黄砂が飛んで来て春先のように霞んでいる。この時期の黄砂は珍しい。
街路樹など樹木の黄葉や紅葉が目に鮮やかである。
12日、「特集・日本文学と映画」の一本、今井正監督の映画『青い山脈』(1949年、藤本プロダクション、92分、白黒)を観に寄った。原作は石坂洋次郎。
撮影は中井朝一である。プログラムに、
戦後の自由な空気を反映し、有名な主題歌とともに大ヒットを記録した青春映画の名編。地方の高校を舞台に、自由奔放な女生徒・寺沢新子や、進歩的な女性教師・島崎雪子を主人公に、学園に巻き起こる騒動を原作の持ち味を活かした明るくユーモラスなタッチで描く。
寺沢新子を杉葉子、島崎雪子を原節子が、そして池部良が旧制高校生の金谷六助を演じている。
『青い山脈』が終わると、『続 青い山脈』の予告編が上映された。当時の映画の予告編を見るのは初めてである。
予告編の最後に「乞うご期待」の文字がスクリーンに大きく映し出される。
13日、『続 青い山脈』(1949年、藤本プロダクション、90分、白黒)を昼の部で観た。
観客で満員。プログラムに、
寺沢新子あてのラブレターをめぐる騒動は、新子をかばう島崎先生の立場をあやうくさせ、決着は学校の理事会に持ち込まれる。原節子の聡明な美しさ、池部良や杉葉子らのはつらつとした青春像が印象的な、戦後の解放感があふれる作品。
脇役では女学生の若山セツ子、その姉の芸者の木暮実千代、学校医の沼田医師(龍崎一郎)が好演。
ラストで、皆で自転車を漕いで走って行く軽快なサイクリングのシーンが印象的だ。
余談ですが、池部良はこの時期に谷口千吉監督の映画『暁の脱走』(1950年、新東宝、110分、白黒)に山口淑子と共演している。