二十日は、二十四節気のひとつ大寒だった。梅がまだつぼみである。寒波の影響かまだまだ開花は先のようだ。
そばに近寄って観察すると、白梅の梅の木だが、つぼみの先あたり、ほんのりと紅色である。
蕪村の句に、「早梅(そうばい)や御室(おむろ)の里の売屋敷(うりやしき)」。
御室とは、京都仁和寺の辺り。
ダイヤモンド社のPR誌『経Kei』1月号の巻頭エッセイ、鶴見俊輔「歿後の門人として」で、今度書いた『かくれ佛教』(ダイヤモンド社・2010年12月刊)にふれている。
冒頭、「河合隼雄歿後の門人となって、その著作を遅れて読んで、思い当たることが多い。」とはじまる。
私は、一九四二年六月一〇日に日米交換船で米国を離れてから、米国に戻ったことはない。だから、入国に際しての、あなたの宗教は? という問いに対して、仏教ですと答える機会に恵まれることはない。しかし、今ならば、自分流にかくれた意味での仏教徒です、と答えることができるように思う。
国家の決めた決断を、仏教がそれらしいやわらかな仕方で批判しつづけることを、良寛や柳宗悦や橋本峰雄と共に、私は祈る。
- 作者: 鶴見 俊輔
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2010/12/10
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