深夜便で「私の思い出の名画」を聴く

 昨夜からNHKラジオ深夜便の「ミッドナイトトーク」を聴いている。「私の思い出の名画」をゲストが語る。
 第一夜は、遠藤ふき子さんの担当日で、番組の途中から聴いた。ゲストのねじめ正一さんが、成瀬巳喜男監督の『浮雲』を語っているところからだった。熱弁で、高峰秀子森雅之のこの映画での見どころを、微に入り細をうがつのだった。
 『浮雲』のつぎに、黒澤明監督の『野良犬』を挙げて、その面白さを語る。
 ねじめさんの思い出の名画が『野良犬』であった。この映画は先日観て面白かったので興味津々でねじめ正一さんの話を聴いた。
 野球場で容疑者を張り込んでいる刑事たち、巨人と南海の野球の試合が行われているあのシーンである。そればかりでなく、ラストの逃げる犯人の木村功と追いかける刑事の三船敏郎とが繰り広げるエネルギッシュなアクションなど、静と動の緊張感など『野良犬』の面白さを的確に語る談話が興味深かった。
 その通り! と思わず相槌を打つ場面あり。ゲストの熱弁に、遠藤ふき子さんが合いの手を入れながら、二人の談話が進んでゆく。
 
 そして、今夜の「ミッドナイトトーク」は須磨佳津江さんの担当日で、出演は吉永みち子さん。
 この二年間「ミッドナイトトーク」に出演していたゲストの一人だが、今回で番組出演が最後になるということで、「私の思い出の名画」を吉永みち子さんに語ってもらおうという番組だった。
 深夜映画を見に行った若き日の思い出藤純子の緋牡丹博徒のお竜の仁侠映画に熱中したころの話など、とても面白かった。