映画『蜘蛛巣城』

蜘蛛巣城

「生誕100年 黒澤明監督特集」から、『蜘蛛巣城』(1957年、東宝、109分、白黒)を映像文化ライブラリーで観る。観客が多い。撮影は中井朝一
 プログラムに、 

シェイクスピアの『マクベス』を、日本の戦国時代に舞台を移して翻案。城主を殺してその座を奪った鷲巣武時の野望と破局を、能の様式を取り入れた演出で描く。三船敏郎が無数の矢を浴びるラストシーンが壮絶な迫力を生む。

 シェイクスピアの悲劇『マクベス』を翻案している。
 三船敏郎マクベスで、山田五十鈴マクベス夫人、浪花千栄子が魔女に相当する。
 山田五十鈴が手に付いた血を洗う場面など、ぞっとする鬼気迫る演技だ。
 シェイクスピアの『マクベス』と映画『蜘蛛巣城』を対照してみると、
 ダンシネイン城→蜘蛛巣城と翻案。
 武将役の志村喬蜘蛛巣城への進軍を鼓舞する場面があるが、シェイクスピアの『マクベス』の登場人物としては、志村喬の役はシュアード(ノーサンバランド伯イングランド軍の武将)に相当するのではないでしょうか。
 蜘蛛巣城へ森が動いて来るシーンは、『マクベス』で、将兵が木の枝で身を隠すように進軍するところですね。