豚を三匹とクロイトトンボ

 昨夜、NHKラジオ深夜便の「人生わたし流」が、柴田祐規子アナウンサーの担当日で、ゲストは「身体のいうことを聞いてみた」と題して、内澤旬子さんが出演していた。
 興味深く、二人の談話を聴いた。近況で、豚を三匹飼って育てて食べたという話が印象深かった。
 三省堂にPR誌「三省堂ぶっくれっと」という雑誌がありました。書店に置いてあり、毎号無料で貰っていた。
 連載では、内澤さんが作家や研究者の書斎をイラスト・ルポした絵と文のページが毎回楽しみだった。
 そのイラスト・ルポを収録した『センセイの書斎』(幻戯書房)は、今年の1月に河出文庫で文庫化されました。
 解説は角田光代さんですね。

 五月の下旬、夕方であったが、公園の池を訪れる。小さな蓮の葉があちこちに眺められた。
 蓮の葉が、池の水面に浮いている。
 睡蓮は開花していた。
 その葉には、クロイトトンボがそっと止っている。
 頭部と胸部と尾部の先が青い。その色が鮮やかで、美しい宝石のようだ。
 近づくと、さっと飛び上がって逃げ、再び葉に止まる。遠くへは行かないで、水辺近くに生息している。
 クロイトトンボを眺めていると、「隠れて、生きよ。」というエピクロスの言葉を思わせる。