街路樹のナツメが熟して赤く色付いた。
明治三〇年の正岡子規の句に、「祇園の鴉愚庵の棗(ナツメ)くひに来る」。
4日の朝日新聞の読書欄「ニュースの本棚」に加藤秀俊氏の「梅棹忠夫再読」が掲載されていた。
梅棹忠夫さんが亡くなって1年がすぎた。
本来の研究者としての著作から三冊が(もっと読んでもらいたい本として)紹介されていた。
梅棹忠夫、吉良竜夫編『生態学入門』(講談社学術文庫・品切れ)
梅棹忠夫著『モゴール族探検記』(岩波新書)
梅棹忠夫著『夜はまだあけぬか』(講談社文庫)
加藤秀俊氏の次の文に、なるほどと思う。
梅棹忠夫論としても面白い。引用しておこう。
生態学という学問は世界の姿をあるがままにみる学問である。そこには分類学も系統論も目的論もない。梅棹さんといっしょに、わたしはしばしば大徳寺の僧房(そうぼう)で和尚との問答に参加した。荘子についても語った。
「あるがまま」をうけいれる梅棹生態学は、どうやら東洋の虚無主義と通じるところがあったようなのである。

- 作者: 梅棹忠夫,吉良竜夫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1976/11
- メディア: 文庫
- クリック: 8回
- この商品を含むブログ (2件) を見る

- 作者: 梅棹忠夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1956/09/17
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 7回
- この商品を含むブログ (9件) を見る

- 作者: 梅棹忠夫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1994/12/27
- メディア: 文庫
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (7件) を見る