安部ねり著『安部公房伝』が面白い。
《この伝記は、大まかに言えば伝記部分と言語論などの理論展開の部分でできています。理論展開の部分は、読むのが面倒くさい方も多いかと思います。お気に召さないところは、ぜひ飛ばして好きなところだけ読んで下さい。十分楽しく作家安部公房と過ごすことができると思います。》(「はじめに」) 2ページ
目次は、
はじめに 2〜3ページ
作家誕生 12〜96ページ
作家安部公房と人間科学 98〜152ページ
作家活動の周辺 154〜228ページ
インタビュー 231〜331ページ
おわりに 332〜333ページ
以上の四つに分かれて書かれている。
それぞれ、関連の写真資料が多数掲載されている。
写真により安部公房の作家活動を、概観することができて興味深い。
インタビューは、安部公房と交流のあった25名へ、著者自身によってなされたもので、『安部公房全集』各巻付録のインタビューを再構成した、(文責・安部ねり)とある。
インタビューが終わって亡くなられている人もいるので、今となっては貴重な資料となっている。
同時代人としての発言で、この本に厚みを与えている。
25名の一覧。(順番に)
児玉久雄
中田耕治
高橋元弘
真鍋呉夫
倉橋健
針生一郎
柾木恭介
中原佑介
長与孝子
池田龍雄
玉井五一
山口正道
和田勉
清水邦夫
山田耕介
安岡章太郎
石沢秀二
大江健三郎
井川比佐志
堤清二
ドナルド・キーン
嶋中行雄
丹野清和
コリーヌ・ブレ
白石省吾