アニメーション、『お坊さんと魚』

 マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督『お坊さんと魚』(1994年、オランダ、フランス、6分25秒)は、修道院の僧侶が、池に一匹の魚を見つけ、魚を捕まえようとする物語。
 セリフはなく、ピアノの軽快な音に合わせるように僧侶は、来る日も来る日も一匹の魚を捕まえよう勇んで池へ出かける。
 釣竿を用意し池で釣ろうとするも、あと一歩のところで魚に逃げられてしまうのだ。
 僧侶は魚を見つけるや池に飛び込んでまでも捕まえようとする。だが、またしても魚は僧侶の手を逃れてぴよーんとすり抜けてしまう。
 意地でも捕まえてやろうと僧侶は池や水路に一匹の魚を求めて探し回る。見つけると捕獲しようと試みるも、いずれも失敗する。
 池や水路を離れて、僧侶と魚の追っかけと逃避行は、なんと空に浮かんで行き、上昇しながら空の果てにその姿が小さくなるまで飛んで行くのだった。
 ナンセンスな笑いあり。