5日のNHKラジオの「土曜朝いちばん」で、「著者に聞きたい 本のツボ」が、『安部公房伝』の著者・安部ねりさんへのインタビューで、談話を興味深く聴く。
安部公房は、娘のねりさんへ、演劇と小説の関係で、劇作家を小説家より偉いんだと言っていた。
学校で父親の職業を書くときに劇作家と書けと言われた。
昔々という物語性が小説の原動力とも。
公房の作品には言語論が根底にあった。
人間が認識力をつけてほしいということで・・・。
小説は、現実は仮想世界なわけで、現実と仮想世界の往復運動する言語との哲学を作品のなかで体験できる。
ねりさんのお薦め作品は『方舟さくら丸』。
(『方舟さくら丸』は)生き延びることの努力が生き延びることにつながらない・・・。