立冬

 8日は二十四節気のひとつ立冬である。
 午前四時過ぎ、オリオン座が南中していた。冬のダイヤモンドを形作る星が眺められた。
 北東におおぐま座が見られ、北斗七星のひしゃくの柄(え)が縦に伸びている。
 ひしゃくの柄は、おおぐまの尻尾(しっぽ)の部分である。
 木星は西南西に位置していた。
 
 

北天にほぼ一年中見える星座。五月上旬の午後八時ごろ南中する。北斗七星を含み、そのα(アルファ)星とβ(ベータ)星を結ぶ線の延長に北極星がある。  『大辞泉

 
 街路樹のトウカエデの紅葉がすすんでいる。まだコオロギなど虫の鳴き声がしている。
 
 10月14日の読売新聞に、「渡辺温 古びない魅力と憂い」という記事を見つける。
 《昭和初め、27歳で早世した渡辺温(おん)(1902〜1930年)の一冊本の文庫版全集『アンドロギュノスの裔(ちすじ)』(創元推理文庫)が刊行された。》とはじまる文化部記者・佐藤憲一氏の文である。