「ロバの本」

 
雪は昨日の夜半に降り出した。その勢いから積もりそうだったが、今朝は思ったほど多くは降っていなかった。昼までに消えた。最低気温は−1℃。冬空で晴れ間が見える。
 冬の陽射しにクロガネモチの実が赤く寒風に吹かれていた。*1
 街路樹のナナメノキの実も赤い。まだ梅の花は小さなつぼみだ。

 19日は、二十四節気のひとつ雨水である。
 『意外性の宇宙』(朝日出版社)という堀源一郎の著書に、巻末に「付・二四節気と七二候」の説明があり、二十四節気の「雨水」は、「水や雪がとけ水がぬるむ」とあります。
 太陽暦は2月25日〜29日。七二候は、北風なお寒し・福寿草咲く・ミツマタ咲く

 

この二四節気のそれぞれをさらに三等分して七二に分けたものが七二候と呼ばれ、五日ごとの季節、自然の移り変わりを表します。中国産の七二候はわが国に輸入されてから千年以上も使われたようですが、江戸時代にわが国の風土に合わせて「本朝七二候」が作られました。さらに昭和になって、中央気象台(いまの気象庁)の報告をもとにして新たに「新七二候」がきめられました。これは東京近郊の気候とよく合っていると言われます。  199ページ

 この『意外性の宇宙』は、「ロバの本」の一冊で、カバー見返しを見ると、既刊が6冊ありました。
 他の5冊は、串田孫一『思索の階段』、多田道太郎『自分学』、村上七郎『ことばの考古学』、佐藤文隆アインシュタインのたまご』、梅原猛『怨霊と縄文』です。
 この「ロバの本」は、9冊出して終わったようですが、好みのシリーズものでした。

*1:クロガネモチ。モチノキ科の常緑高木。雌雄異株で、五月ごろ、淡紫色の小花を群生し、実は熟すと赤い。名は枝や葉が黒みがかってつやがあることによる。  『大辞泉