フレデリック・ワイズマン監督の映画『競馬場』

競馬場

 シネマテーク・プロジェクト第4弾「フレデリック・ワイズマンのすべて」の一本、映画『競馬場』(1985年、114分、白黒)を観に寄る。原題はRacetrack。 
 プログラムより引用。

 サラブレッドの競走馬として世界でも指折りのニューヨークのベルモント競馬場についてのドキュメンタリー。厩舎での馬の出産に始まり、調教師や飼育係、馬主、獣医たちの活動、レースをとりまく人々、観客たち、騎手たち、競馬場の経営を支えるオーナーたちの巨大なパーティとその舞台裏まで、競馬というビジネスのあらゆる側面が映し出される。
 冒頭、馬が厩舎(きゅうしゃ)で出産するシーンから始まる。子馬は生まれるとじきに立ち上がり歩けるようになる。出産という自然の素晴らしさ。子馬は母馬の乳を飲み成長が早い。
 厩舎で乾し草を馬に与える人、馬の手入れを大事に行う。
 世話をしている馬が優勝し一躍その調教師として有名になった人が述べる。
 馬に育てられたと。その馬へ出資し続ける馬主という人たちの役割が語られる。
 足を骨折した競走馬の手術を撮っている。競走馬の脚にはとてつもない負荷がかかり、それゆえに痛める。
 クルマやバスなどで人々はニューヨークの競馬場へ向かう。観客はお祭気分で競馬のレースに熱狂する。競馬場で働く裏方の人々の映像。
 馬のオーナーたちが集まる楽団の演奏付きの豪華なパーティ会場で、名誉会長の誕生日を祝うその祝辞を撮っている。巨大なビジネスとしての競馬の世界を見せてくれる。
 ラストは、再びレースでの馬がスタートし、走る光景を映しながら終わる。 
 出産、交尾、手術の撮影が印象的だった。