山吹が咲いている。満開だ。青空に黄金色の花が照り輝き鮮やかである。
バラ科の落葉低木。山間の湿地に多く、群生する。葉は互生し、卵形で先がとがり、縁に二重のぎざぎざがある。晩春、黄色の五弁花を開き、実は暗褐色。古くから庭木とされ、八重咲きのものは実がならない。 『大辞泉』
正岡子規の山吹を詠んだ句に、「風吹て山吹蝶をはね返し」という明治二十六年の句があります。
もう一句、明治三十年の句に、「山吹や小鮒入れたる桶に散る」。
桶は木桶で中に小鮒を入れている。新緑の季節、風に吹かれて散った山吹の花がひらひらと舞っている。花弁(はなびら)水面に落ちて来て浮いている。といった風情でしょうか。
「山吹や小鮒入れたる桶に散る」。