『ル・アーヴルの靴みがき』

 21日は二十四節気のひとつ夏至だった。
 この日、アキ・カウリスマキ監督の新作『ル・アーヴルの靴みがき』(2011年、フィンランド、フランス、ドイツ、93分、カラー)をシネツイン本通りで観る。
 原題は「ル・アーヴル」。
 監督・脚本がアキ・カウリスマキで、出演はアンドレ・ウィルムス、カティ・オウティネン。
 2006年の『街のあかり』から五年ぶりの新作だ。
 マルセル(アンドレ・ウィルムス)とアルレッティ(カティ・オウティネン)夫婦の物語。
 マルセルはル・アーヴル靴みがきをしている。
 ある日、港のコンテナにアフリカからの不法移民が隠れていたのが発見される。
 警察がやって来て不法移民を逮捕するが、一人少年が逃亡する。
 マルセルは海に入って隠れていた少年を偶然見つける。
 それを機会に少年はマルセルの家に隠れて住むことになる。
 捜索している警察に、不法移民の少年をマルセルが匿(かくま)っているにちがいないとにらんで嗅ぎまわるモネ警視(ジャン=ピエール・ダルッサン)が、家宅捜査にやって来るが見つからない。
 近所のカフェに集まる人々や八百屋やパン屋に助けられて、少年をロンドンへ漁船を使って運ぶ費用をロックのコンサートの収益で工面し、無事にロンドンへの漁船に乗せる。
 急病で入院していたアルレッティの病気も奇跡的に回復し退院するのだった。めでたしめでたし。
 ライカという名前の犬が登場していた。カウリスマキ映画で犬はいつも出て来る。
 モネ警視役のジャン=ピエール・ダルッサンは、『サン・ジャックへの道』で、のんだくれで一文無しの男を演じていたが、『ル・アーヴルの靴みがき』での演技も好みですね。