16日、セドリック・クラピッシュ監督の映画『PARIS(パリ)』(2008年、フランス、129分、カラー)を観る。「フランス映画特集」で上映された作品の1本。
出演はジュリエット・ビノシュ、ロマン・デュリス、ファブリス・ルキーニ。
「フランス映画特集」のパンフレットより引用。
重い病気を患ったピエールは、毎日自宅のベランダからパリの街を行き交う人々を眺める。そんなピエールを心配して姉のエリーズが同居を始めるが…。パリに暮らす様々な境遇の男女の人生を描く。
ピエール(ロマン・デュリス)は35歳、ダンサーをしていたが心臓に欠陥がみつかり自宅で療養している。
弟のピエールが引きこもっているのを心配した姉のエリーズ(ジュリエット・ビノシュ)は、育児中の子供たち三人を引き連れて弟に同居する。
姉のエリーズ(ジュリエット・ビノシュ)は40歳になる。福祉の仕事をしている。
病んでいるピエールだが、姉エリーズこそ生きているのだから人生を謳歌するように勧める。
冒頭、ファブリス・ルキーニは大学の歴史学の教授役で、パリの歴史についてのテレビ番組にレポーター兼解説役でパリの歴史建造物の前で出演しているシーンで登場する。
教え子との恋愛に夢中になる役どころを好演している。
教え子の前で若かりし日に踊ったダンスを音楽に合わせて再び踊るシーンがいい。
ピエールは毎朝、近所のパン屋へバゲットを買いに行く。店の新入り女店員との交流。
エリーズは市場に出かけ、魚屋や八百屋で買い物をする。
店主らは地元の人というわけではなく、地方から首都パリへ出て来て商売をはじめた人たちである。
パリに住み暮しているこれらの人々の日々を織り交ぜながらピエールとエリーズの姉弟の来し方行く末を見つめるかのごとく描く。
アフリカのカメルーンからフランスのパリへ憧れて行こうとしている者らがいる。
パリという都市が様々なところから人々を引き寄せ、引き寄せられた人々で成り立っている。
ラストのピエールがタクシーで死が迫っているのを意識しながら病院へ駆けつけるシーンに映るパリの街並み、袖触れ合うも多生の縁と会った人たちを目撃するのだった。