『白頭山の青春』


 早朝、ゴーヤを収穫する。
 連日、残暑である。蝉時雨(しぐれ)がつづいている。
 シオカラトンボやクモを見かけた、
 

蛛形(ちゅうけい)綱真正クモ目節足動物の総称。体は頭胸部と腹部とからなり、歩脚は四対。ふつう八個の単眼がある。腹部後方に糸を出す突起をもつ。肉食性で、網を張るものと網を張らないものとがある。オニグモジョロウグモ・ジグモなど日本には約一〇〇〇種が知られる。  『大辞泉

 梅棹忠夫・藤田和夫編『白頭山の青春』を読んでいる。
 1940年の夏、三人の青年がこの山に登った。
 三人とも旧制の第三高等学校の三年生で、山岳部員であった。
 先日、梅棹忠夫著『山をたのしむ』(山と渓谷社)の対談が面白かったので、もっと詳しく白頭山登山の経緯と地理学上の成果などを知りたくて読みはじめた。
 藤田和夫、伴豊、梅棹忠夫の当時いずれも二〇歳前後の青年がのぼった。
 もうひとり、山岳部で梅棹さんの一学年うえであった吉良竜夫は三人と行をともにするつもりでいたが、健康上の理由で参加できなかった、と「はじめに」に述べられている。
 44年後、かれは中国側からこの山に登頂して、青年時代の宿願を果した。

白頭山の青春

白頭山の青春