ヤン・シュヴァンクマイエル、ルネ・ラルー、カレル・ゼマンなど15人の世界のアニメーション作家へのインタビューが収められている本に、小野耕世さんの『世界のアニメーション作家たち』(人文書院)があります。
ルネ・ラルーの『ファンタスティック・プラネット』が上映されたのを観た時に、冒頭のクレジットにローラン・トポールの名前があるのですが、おや何故だろうかと思っていました。
小野耕世さんのこのインタビュー集に収録のルネ・ラルーとのインタビューの中に、その辺の経緯について参考になる箇所がありました。
1960年に作られた、《『猿の牙』が映画賞を得たとき、そのときの審査員の一人が、画家のミシェル・フォロンで、彼がトポールを私に紹介してくれた。トポールの絵は風刺マンガ誌『ハラキリ』で見て知っていた。そのときじつは、フォロンとトポールともう一人を含む三人の画家といっしょにアニメを作ろうとしたのだが、画家同士の仲がうまくいかなくて、結局、トポール一人と組んで、彼の絵をもとにつくったのが『死んだ時間』で、彼の絵のテーマは〈暗殺〉でした。まあ、初歩的なアニメだけれどね。》 75〜76ページ
《『かたつむり』は、トポールと私が、いっしょにアイデアを出しあって作った。はじめに、大きなカタツムリを描いたトポールの絵があった。その殻には家のように窓がある。なぜこんなカタツムリができたのか、その絵を出発点にして、話を逆のほうから考えていった。大きなサラダがある。なぜ野菜がそんなに大きくならなくちゃならないのか、なぜか、なぜかと考えていって、あのような話が生まれたのです。》 76ページ
他にも参考になる箇所があるのですが、『ファンタスティック・プラネット』と同じくフランスのSF作家ステファン・ウルの小説を原作としている『時の支配者』については、《今度は三つの惑星の風景とその生物たちが描かれるが、日本でもファンの多いフランスのBD作家メビウスが美術デザインを担当しているので、小さな男の子が登場する物語にふさわしく、すべてにおいてうっとりするほど優美で楽しい。》 87〜88ページ

- 作者: 小野耕世
- 出版社/メーカー: 人文書院
- 発売日: 2006/09/01
- メディア: 単行本
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