映画『ミー・マイセルフ 私の彼の秘密』

ミー・マイセルフ 私の彼の秘密

 「タイ映画特集」で上映の1本、ポンパット・ワチラバンジョン監督の作品『ミー・マイセルフ 私の彼の秘密』(2007年、タイ、110分、カラー)を観る。
 原題は、ME MYSELF。
 出演は、アナンダ・エヴァリンハム、チャーヤナン・マノーマイサンティパープ、モントン・アヌパープマート。
 「タイ映画特集」パンフレットに、

ウムは車で若い男性をひいてしまい、記憶喪失となった青年を引き取ることを決意する。やがて、2人はお互いの気持ちを近づけていくが…。記憶喪失の男性と彼を引き取った女性をめぐる物語。

 大都会バンコクで働くウム(チャーヤナン・マノーマイサンティパープ)は、ある夜帰宅中に、道に飛び出して来た若い男(アナンダ・エヴァリンハム)を見つけるが、間に合わなく車をぶつけてしまう。 
 ウムは男を入院させた。病院でじきに傷も治り回復する。
 だが、男は名前も住まいも分からず記憶喪失になっていた。
 行く当てのなくなった男を自責の念から自宅のマンションの部屋へ引き取ることにした。
 ウムは独身で、まだ小さな甥の少年オム(モントン・アヌパープマート)を引き取って二人で暮らしていた。
 若い男の名前を、事故の時に身につけていたペンダントからテンと呼ぶことにした。
 三人が暮らすことになり、少年オムもテンおじさんと呼んで懐(なつ)くのだった。
 だが、平穏な生活を脅かすような事態が次々に起こり、テンの素性の疑問も霧が晴れるように、次第に明らかになる衝撃の後半部。
 ウムとテンとオムのその心理的な葛藤を繊細に描いている。日本語タイトルにあるように彼の秘密をウムがどう受け止めるかが見どころのひとつだった。
 カラオケでテンとウムが歌う。キティのキャラクターの付いたエプロンをして朝食を作るテン。マンションの隣の住民がやってきてゲームをウムの部屋でする。
 何気ないこういった映像にタイの生活文化が垣間見れる。