くつわ蟲ひと夜は人の戀も聞け


 モミジの葉が晴天のもと紅葉している。
 一日紅葉狩りの人になる。

 畑耕一の俳句に、秋の句ですが、虫を詠んだ句が多い気がする。
 たとえば、「晴天のもと蝗や飛び連るる
 蝗は、「いなご」ですね。
 稲の間にすむ昆虫でからだは緑色、羽は茶色で稲に害を加える虫です。
 「くつわ蟲ひと夜は人の戀も聞け
 くつわ虫、キリギリスに似てからだが緑色、ガチャガチャと鳴きます。
 やめろといってもガチャガチャと鳴くのをやめませんね。
 相手が虫ですから、人間が言っても聞きはしません。

 以下は、屁ひり虫の三句です。
 「おのが身の業と知らでや放屁蟲
 「放屁蟲惻々として放つかな
 「もとよりの不肖と放つ屁ひり蟲