映画『地下鉄のザジ』

 21日、ルイ・マル(Louis Malle)監督の映画『地下鉄のザジ』(1960年、フランス、93分、カラー)を映像文化ライブラリーに観に寄る。観客が多い。原題はZazie dans le métro。
 レイモン・クノーレーモン・クノー)の小説を映画化している。

 「ルイ・マル監督特集」のパンフレットに、 

フランスのヌーヴェル・ヴァーグの巨匠、ルイ・マル。今回の特集では、田舎からパリに遊びに来た少女の冒険を描いたコメディ「地下鉄のザジ」、ナチス占領下のフランスで生活する少年たちの心の交流を描き、ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した「さよなら子供たち」など、5作品を上映します。ぜひご鑑賞ください。*1

 
 映画は35ミリフィルムによる映像で、カラーフィルムは鮮明で、1960年のフランスのパリの風景が見れる。
 当時、パリにドイツからの観光客が多く訪れている。ユニークな流線型の二階建て観光バスにドイツ娘らがパリ観光客として乗っている。
 名所旧跡の建物など観光している。
 出演は、カトリーヌ・ドモンジョ、フィリップ・ノワレ、ユベール・デシャン、アントワーヌ・ロブロ。

 パンフレットより引用。 

田舎からパリを訪れた10歳の少女ザジの楽しみは、地下鉄に乗ることであった。が、ストライキで地下鉄が動いていないと知ったザジは、1人で街へ出てしまう・・・。ザジがパリを離れるまでの36時間にわたる冒険を描く。

 冒頭、列車が線路を疾走している場景で始まる。
 列車は走りつづける。列車はパリのリヨン駅か、もしくは東駅かとみられる駅へ到着する。
 ママに連れられてパリへやって来たザジ(カトリーヌ・ドモンジョ)は、おじのガブリエル(フィリップ・ノワレ)の家に預けられる。
 パリのメトロ(地下鉄)がストライキで運行していない。
 パリの道路は車で大混雑している。
 どうしてもメトロに乗りたいザジは家出をしてしまう。
 パリの街で悪態をつくザジだが、出会った人びとと巻き起こす、愉快で不思議なパリでの冒険を体験する。
 ガブリエルおじさんと出かけ、エッフェル塔の上で、市場で、パリの街で追いかけっこをする。
 エッフェル塔の展望台のシーンは今にも落っこちてしまうのではないかとドキドキする。
 それに映像を駒落としやスローモーションで、コミカルでナンセンスに描く。
 ガブリエルおじさんの友人のタクシー運転手のシャルル(アントワーヌ・ロブロ)の婚約パーティ会場は参加者全員でドタバタ騒動になり、大混乱のハチャメチャ振りが楽しい。
 無声映画時代のスラップスティック・コメディ(どたばた喜劇)を思わせる。
 ザジの赤いセーターと市場で買ったアメリカ軍の払い下げのジーンズの青さが印象的だ。
 大混乱からガブリエルとザジは地下鉄へ避難したら、ストが終わりメトロが動き出した。
 眠いザジをおじのガブリエルらはメトロに乗せた。眠っているが、ひとまずザジの地下鉄(メトロ)に乗りたいという願いはかなった。
 ラスト、ザジはつかの間のパリ滞在をガブリエルおじさんの家から、ママに引きとられ列車でパリを離れて行くのだった。
 列車は、ぐんぐんスピードをあげて冒頭の場景のように疾走する。
 その場景にクレジットが重なり映されていく。
 そしてFin。

*1:注記:5作品は、「地下鉄のザジ」、「恋人たち」、「鬼火」、「さよなら子供たち」、「五月のミル」を上映。