ルイ・マルの映画『さよなら子供たち』

 24日、「ルイ・マル監督特集」の1本、映画『さよなら子供たち』(1987年、フランス、西ドイツ、103分、カラー)を観る。
 出演は、ガスパール・マネス、ラファエル・フェジト、フランシーヌ・ラセット、スラニスラス・カレ・ド・マルベール。
 パンフレットから引用。 

パリから離れ疎開している12歳の少年ジュリアンは転校生のボネと親しくなる。が、ある時、ジュリアンはボネの秘密を知ってしまう・・・。ナチス占領下のフランスで生活する少年たちの心の交流を描いた。ルイ・マル監督の自伝的な作品。ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞。

 第二次世界大戦の最中、パリから離れたところにある寄宿学校。
 フランスの各地からやって来た少年らが寄宿生活を送っている。
 ある日、寄宿学校の料理人で悪事を働いて辞めさせられた若者がゲシュタポに密告し、寄宿学校は捜索される。
 ドイツのゲシュタポ(秘密警察)に逮捕された司祭が、少年三人と共に連れ去られながら、寄宿学校に残った生徒らへ言う言葉が「さよなら子供たち」だ。
 ラストのこのシーンに、ジュリアンのクローズアップにナレーションで、40年前の1944年1月に寄宿学校にゲシュタポが現われて捜索され、ボネをはじめ司祭と他に二人の少年の四人が連れ去られて、ボネはアウシュビッツへ送られ亡くなったことを、司祭も同じような運命になったことを忘れないと述懐する。
 けっして忘れられないあの日のことを・・・。
 
 公開されたときに見て以来の鑑賞だった。細部は忘れていたが大筋は覚えていた。
 フレッド・ジンネマン監督の映画『ジュリア』に似たところのある映画である。
 『ジュリア』はドイツ系のユダヤ人のリリアン・ヘルマンの回想を元につくられたものだが、『さよなら子供たち』の方は、フランス系ユダヤ人のボネをジュリアンが回想する。