女優の山田五十鈴さんが7月に亡くなられた。
この一年ほどに観た山田五十鈴・出演映画のこと。
「日本映画 スター・ベスト30」の一本で、小津安二郎監督『東京暮色』(1957年、140分、白黒)に、原節子、有馬稲子、笠智衆、杉村春子と共演していた。
山村聰監督『風流深川唄』(1960年、東映、87分、カラー)では、美空ひばり、鶴田浩二、杉村春子と共演。常磐津の師匠役で。
大曽根辰夫監督『鞍馬天狗 角兵衛獅子』(1951年、松竹、91分、白黒)では嵐寛寿郎、美空ひばり、月形龍之介と。鞍馬天狗に復讐をしようと命を狙う女役で。
新藤兼人監督『縮図』(1953年、近代映画協会、131分、白黒)では乙羽信子、北林谷栄、宇野重吉、殿山泰司、沢村貞子、滝沢修と。置屋の女将で。
渋谷実監督『悪女の季節』(1958年、松竹、110分、カラー)では、東野英治郎、岡田茉莉子、伊藤雄之助、杉浦直樹、三好栄子と共演している。
『悪女の季節』に山田五十鈴の入浴シーンがあるのが珍しくて驚いた。
渋谷実監督の興に乗っての演出かもしれない。女優の年齢、40歳ごろの作品である。
「喜劇映画の異端児 渋谷実監督特集」の一本である。
衣笠貞之助監督『或る夜の殿様』(1946年、東宝、112分、白黒)は、長谷川一夫、高峰秀子、飯田蝶子、志村喬、藤田進、大河内傳次郎、進藤英太郎と共演していた。
長谷川一夫と山田五十鈴のコンビといえば、マキノ正博監督『昨日消えた男』(1941年、東宝、89分、白黒)の風来坊の文吉の長谷川一夫と芸者役の山田五十鈴の演技を忘れることはできない。二人がたがいに悪態をつく場面があるのだが、山田五十鈴のお茶目で滑稽なしぐさがいい。
昭和16年、高峰秀子も共演している。