年末の雑誌『サンデー毎日』と『週刊文春』で、中野翠と小林信彦の連載は、どちらも小沢昭一追悼文だった。
小沢昭一さんは、脇役での演技に味がある俳優だった。
渋谷実監督『勲章』(1954年、俳優座、120分、白黒)の寄席で落語家のアルバイトをやっている佐田啓二の学生仲間を演じる。昭和29年である。
東京オリンピックの年の豊田四郎監督の映画『甘い汗』(1964年、東京映画、119分、白黒)に、京マチ子主演であるが、悪役を演じているのが印象的だった佐田啓二、それと山茶花究と共演している。昭和39年である。
川島雄三監督『貸間あり』(1959年、宝塚映画、112分、白黒)に、広島弁をしゃべる学生役で、フランキー堺、淡島千景、浪花千栄子、桂小金治、市原悦子、乙羽信子、藤木悠、益田喜頓らと共演している。昭和34年である。
原作は井伏鱒二の小説で、脚本は川島雄三と藤本義一である。
大阪の本屋が出てくる映画としても印象深い。
天牛書店という本屋だ。
川島雄三監督『洲崎パラダイス赤信号』(1956年、日活、81分、白黒)に、蕎麦屋の出前持ちをやる若者を演じていた。蕎麦屋の娘が芦川いづみである。
この映画に新珠三千代の妹で桂典子という女優が出演しているのは珍しい。昭和31年である。
新刊で、滝口明祥著『井伏鱒二と「ちぐはぐ」な近代』(新曜社)がある。
版元の新刊案内から、書籍の冒頭の一部が電子書籍で読める。ちょっと気になる本だ。
http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-36f1.html
http://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/978-4-7885-1314-3.htm

- 作者: 滝口明祥
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 2012/11/28
- メディア: 単行本
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