「心中天網島」をめぐる対談

 藤本義一・選、日本ペンクラブ・編『心中小説名作選』(集英社文庫)に、川端康成「心中」、田宮虎彦「銀心中」、大岡昇平来宮心中」、司馬遼太郎「村の心中」、笹沢左保「六本木心中」、梶山季之那覇心中」の六篇が収録されている。
 巻末に解説を藤本義一富岡多恵子の二人の「解説対談」があり、この対談が収穫だった。
 篠田正浩監督の映画『心中天網島』(1969年)の原作・近松門左衛門人形浄瑠璃心中天網島」をめぐって興味深く読む。
 富岡多恵子は、映画『心中天網島』に、脚色で参加している。
 藤本義一川島雄三監督『貸間あり』(1959年)に、原作の井伏鱒二の小説「貸間あり」を藤本義一川島雄三の共同脚色で参加している。そういう体験のある大阪人二人の対談で、「心中天網島」の紙屋治兵衛と遊女小春、治兵衛の妻おさんをめぐる談話が面白かった。
 この文庫に、田宮虎彦「銀心中」も収録されているので、新藤兼人監督の映画『銀心中』(1956年)と小説を読み比べられる。
 映画『銀心中』の脚色は新藤兼人である。

心中小説名作選 (集英社文庫)

心中小説名作選 (集英社文庫)