日暦の日曜赤し福寿草

 11日、俳優の千石規子さんが昨年12月27日に亡くなったという新聞記事を見た。合掌。
 出演された映画のリストから、記憶にある千石規子さんの出演作をピックアップしてみた。
 「野良犬」、「醜聞〈スキャンダル〉」、「宗方姉妹」、「三等重役」、「七人の侍」、「笛吹童子 第二部 妖術の斗争」、「浮雲」、「女が階段を上る時」、「甘い汗」があがった。
 印象に残るのは、「野良犬」と「三等重役」であろうか。
 「三等重役」では、森繁久弥が演じる浦島課長の妻を演じていた。
 「野良犬」での配役も珍しい役どころで貴重な映像だろう。
 
 炭俵の句に、「みぞるるや犬の来てねる炭俵」は芥川龍之介大正九年から十二年ごろの句である。
 炭俵のそばにやって来た犬が静かに眠っているが、外はみぞれが降っている。
 
 大正八年の芥川龍之介の句に、「日暦の日曜赤し福寿草」。新年を祝うめでたい植物だ。

 キンポウゲ科多年草。北地に多く、高さ一〇〜二〇センチ。早春、黄色い花を一個開き、やがて茎が伸び、羽状に細かく切れ込む複葉を互生する。盆栽にして正月の飾り物とする。根は強心薬になる。元日草。ことぶきぐさ。ついたちそう。  『大辞泉