小学館の月刊『本の窓』3・4月合併号が、嵐山光三郎の評伝「漂流怪人・きだみのる」を連載している。
第五回「ミョウガの玉子とじ」とはなにか、と題してのエッセーである。
今回は、国宝の本堂のある長野市の善光寺の重要文化財の山門の下で、写真家の柳沢信(やなぎさわしん)さんと嵐山さんが、きだドンこときだみのるとミミくんを待ち合わせる場面からはじまる。
待ちながら柳沢信さんが嵐山さんに、石童丸(いしどうまる)の話をする。
この箇所が柳沢信さんの「父と子」という意識と、きだドンとミミくんの「父と子」に重ねあわされる描写の文にぐいぐい読まされる。
この文を読むだけでもこれは面白い評伝になりそうな気がする。