花はちす雀をとめてたわみけり

ハスの花托

 八月になっても朝晩の気温の変動幅が少なく暑苦しい熱帯夜がつづく。
 2日、公園の池に寄る。ハスの花弁(はなびら)が散って、如雨露(じょうろ)のような形になっていた。
 水面から伸びて先端につぼみを付けたままのハスも残っている。
 そのひとつに、チョウトンボが一匹とまっていた。

 「花はちす雀をとめてたわみけり
 芥川龍之介の大正十五年の俳句です。
 はちすとは、蓮(ハス)のことですね。ハスに一羽の雀(すずめ)が乗っていて重みと風によりゆらゆらとしている。
 同じ年の句に、「兎も片耳垂るる大暑かな」の句があります。