大庭秀雄監督の映画『長崎の鐘』(1950年、松竹、94分、白黒)を観た後に、脚本、シナリオを見る機会があった。
1950年の映画『長崎の鐘』の当時のシナリオで、謄写版印刷、ガリ版印刷でわら半紙に印刷されている。
長年の経過にもかかわらず紙の状態は良い。
脚本は小さな文字で書かれている。
一面の上の左上に、製作意図が書かれていた。
下半分に、配役などが並んでいるが、なぜか俳優の名前は記されていない。空白になっている。
この脚本を熟読した人によると、永井隆博士を若原雅夫、妻のみどりを月丘夢路が演じているのだが、スクリーンで見る妻みどりの墓が「緑」と書かれていたそうだ。
脚本に橋田壽賀子の名前があるのだが、当時のシナリオは橋田スガ子となっていた。