大林宣彦監督の映画『姉妹坂』

『姉妹坂』

 先月につづいて、今月(10月)の「家族の肖像 ホームドラマの軌跡」で上映された作品のうちの一本。
 大林宣彦監督の映画『姉妹坂』(1985年、東宝映画、102分、カラー)を観る。
 出演は、紺野美沙子浅野温子沢口靖子富田靖子尾美としのり宮川一朗太入江若葉竹脇無我藤田弓子宇野重吉

 10月プログラムに、
 大山和栄のベストセラー少女漫画の映画化。京都に暮らす喜多沢家の四姉妹。喫茶店を切り盛りする長女の彩、雑誌カメラマンの次女茜、三女の杏は大学生、四女の藍は高校生。出生の秘密を抱えた四姉妹の自立や恋を描く。

 長女の彩(あや)を紺野美沙子、次女の茜(あかね)を浅野温子、三女の杏(あんず)を沢口靖子、四女の藍(あい)を富田靖子が演じている。両親は交通事故で亡くなるのだが、母親を藤田弓子
 両親が亡くなった後を、長女の彩が親代わりになって、喫茶店をやりながら三人の妹たちを育てて来た。
 映画は三部に分かれて展開される。
 それぞれで、三女の杏(あんず)、次女の茜(あかね)、四女の藍(あい)の出生の秘密が明らかになる。
 京都を舞台にした四姉妹の物語である。
 ロケシーンでは九州の平戸の海の見える海岸の風景、京都の風景で坂道で撮ったシーンが印象的である。

 前日、市川崑監督の『細雪』(1983年、東宝映画、140分、カラー)が上映されている。
 谷崎潤一郎の小説『細雪』は、四姉妹の物語であるが、大林宣彦監督の映画『姉妹坂』も四姉妹の物語で、三女の杏(あんず)役の沢口靖子が初々しい。
 竹脇無我は、次女の茜(あかね)(浅野温子)の主治医で、長女の彩(あや)(紺野美沙子)の元恋人役を演じる。
 ラストに、宇野重吉が茜(あかね)の最後に出会う老漁師役で出演している。
 夜空に一瞬流れ星が右から左下へ流れるシーンがある。