中原淳一と映画『緑はるかに』

 
 雑誌『ユリイカ』の11月号は、「特集・中原淳一と少女イラストレーション」である。
 生誕100周年ということで、特集が組まれている。
 中原淳一と同じ年、元号でいえば大正二年(1913年)の生まれといえば、小説家の織田作之助、建築家の丹下健三、写真家の植田正治がいる。
 雑誌『ユリイカ』の特集で、中原淳一の生涯と作品について様々に論じられている。
 その中原淳一が衣装考証で参加している映画が、全国巡回している「蘇ったフィルムたち〜東京国立近代美術館フィルムセンター復元作品特集」の一本、井上梅次(うめつぐ)監督の映画『緑はるかに』(1955年、日活、90分、カラー)で上映された。
 出演は、浅丘ルリ子、高田稔、藤代鮎子、植村謙二郎、内海突破、有島一郎フランキー堺岡田眞澄北原三枝。 
 浅丘ルリ子のデビュー作。ルリ子の父から科学研究の秘密を盗もうとするスパイ団と子どもたちの対決を描く。青・緑・赤の3本のネガを一台のカメラで撮影し、1本のポジフィルムに焼き付けるコニカラー・システムによる初の長編劇映画で、日活のカラー第1作でもある。(特集パンフレットより) 
 クレジットに、原作・北条誠、製作・水の江瀧子、美術・木村威夫
 衣装考証に中原淳一。「緑はるかに」の曲の作詞が西条八十。作曲・米山正夫。歌に安田祥子ら。 
 主演の浅丘ルリ子のデビュー作で、中原淳一の絵の少女にそっくりなのが印象的であった。