ぼた餅の来べき空なり初時雨

 
 9日、最高気温10℃、最低気温5℃。天気は曇りから後、午後に時雨(しぐ)れる。
 公園の山茶花サザンカ)が咲いていた。花弁(はなびら)は白色で、雨のしずくで濡れている。
 高さが5メートルくらいもある樹木。山茶花の白い花弁が伸び広がった枝葉の隅々まで点々と咲いている。
 小林一茶の俳句に、「ぼた餅の来べき空なり初時雨」、文化七年の句である。
 ぼた餅とは、もち米またはもち米にふつうの米(うるち米)をまぜて軽くついて丸め、つぶし餡(あん)・黄な粉・すり胡麻(ごま)などをまぶしたもの。
 
 雑誌『ユリイカ』10月号が「特集・武田百合子」で、アンソロジー作品から、「京都」を読む。(『遊覧日記』所収より)
 百合子さんが京都でわらび餅というものを食べてみたくなったという話が面白かった。
 そういう文章を書く武田百合子さんについて、堀切直人「見る人、暴走する人、書く人」の文が、なるほどなあと興味深かった。