三日月はそるぞ寒さは冴えかへる


 晴れて寒気が強い。青空も見えていて牡丹雪(ぼたんゆき)が舞い降りて来る。
 最高気温7℃、最低気温2℃。
 常緑樹の山茶花(さざんか)が、紅色の花弁(はなびら)で満開だ。

 「三日月はそるぞ寒さは冴(さ)えかへる」、文政元年の小林一茶の俳句である。
 文政六年の句に、「彼岸までとは申せども寒さかな」。
 寒の戻りのような寒さである。夕方の月が三日月であった。

 雑誌『一冊の本』2014年2月号の新連載「志賀直哉、映画に行く 1」(貴田庄)を読む。
 面白いので、一部引用する。
 《志賀は、日記や座談会からわかるのだが、十九世紀末から一九六〇年代まで映画を見ている。具体的にいえば、エジソンの映画や歌舞伎座で公開された「紅葉狩」から、石原裕次郎のアクション映画や小津安二郎の遺作「秋刀魚の味」まで見ている。しかも、東京だけでなく京都や大阪で、さらには熱海などで、六十五年以上にわたって映画を見ている。  14ページ》