映画『エデンの海』

 今月(2月)は、「日活映画特集」が開催されている。
 西河克己監督の映画『エデンの海』(1963年、日活、97分、カラー)を観る。
 出演は、和泉雅子高橋英樹東野英治郎、牧理恵、佐野浅夫高原駿雄小沢昭一三崎千恵子飯田蝶子小園蓉子
 特集パンフレットに、
 広島市出身の作家、若杉慧の同名小説の二度目の映画化。瀬戸内海に臨む女子高校に、青年教師・南条は、たちまち生徒たちの人気者となるが、清水巴という少女だけが南条だけに反抗する。が、様々な出来事を経て、南条と巴の絆は強まっていく・・・。

 原作の脚色は馬場当である。
 東京から都落ちのような気持で瀬戸内海に望む町の高校へ赴任してきた南条先生(高橋英樹)が春から夏が終わるまでの生徒たちとの様々な出来事があり、教え子の巴とのことが学校で評判になり、ついに教職を辞めるまでを描いている。だが、ラストの連絡船で桟橋を離れて去り行く南条先生を見送る生徒の謝りの言葉は、爽やかであった。
 同僚の女性教師の増川先生を牧理恵が演じている。巴の祖母を飯田蝶子
 東野英治郎が校長、佐野浅夫が教頭。小沢昭一が東京から郷里に帰っている大学生。高原駿雄が同僚の教師。
 増川先生は故郷が徳島市の人で、8月の阿波おどりの時期に、南条先生は増川先生に誘われて訪れる。
 
 映画の舞台になったロケ地の瀬戸内海の海と島の景色が素晴らしい。
 南条先生の下宿をしているお寺から見下ろす瀬戸内海の眺めも広々としている。
 学校の行事の運動会や海で女子生徒の全員参加の遠泳の描写、学校へ来なくなった巴(和泉雅子)が、水着姿に着替えて南条先生と二人で馬に乗って学校へ乱入して、校庭を駆け回るシーンが躍動感ある移動撮影で印象的な場面だ。
 エデンとは、旧約聖書で神がつくった最初の人間アダムとイブが住んだ楽園という。
 エデンの海とは?