丸谷才一と植草甚一のこと

 先日、河出書房新社編・「文藝別冊 丸谷才一」が出ていました。
 エッセイの川本三郎「戦争嫌い」、評論の栗原裕一郎丸谷才一が作ったもの 丸谷才一と日本の書評文化」、徹底討議の山崎正和三浦雅士丸谷才一を偲ぶ」を目にしました。
 川本三郎「戦争嫌い」は、昨年の川本三郎著『そして、人生はつづく』での丸谷才一論を思い出しました。 

丸谷才一は直接的な政治談義をすることはまずなかったが、「軍人嫌ひ」は一貫していた。
いまこのことがあまり語られないが、改めて確認しておきたい。  同書273ページ

 栗原裕一郎丸谷才一が作ったもの 丸谷才一と日本の書評文化」を読むと、植草甚一の『ぼくは散歩と雑学がすき』のことを思いました。
 昨年の3月にちくま文庫に入った『ぼくは散歩と雑学がすき』の献辞が「丸谷才一氏へ」となっています。
 植草さんは、この本を丸谷才一を尊敬し、つつしんでさし上げたのですね。

丸谷才一 (文藝別冊)

丸谷才一 (文藝別冊)