松田定次監督の映画『旗本退屈男 謎の幽霊船』

 今月(4月)は、「時代劇特集2014」が開催されている。
 松田定次(さだつぐ)監督の映画『旗本退屈男 謎の幽霊船』(1956年、東映京都、90分、カラー)を観た。
 出演は、市川右太衛門、高千穂ひづる、進藤英太郎、薄田研二、江原真二郎、原健作、横山エンタツ杉狂児渡辺篤、田代百合子、勝浦千浪、三島雅夫山形勲千石規子
 脚本は比佐芳武である。

 特集パンフレットより。

 市川右太衛門扮する旗本退屈男が、諸羽流青眼崩しの太刀さばきで悪人たちを倒す。人気シリーズの1本。この「謎の幽霊船」では、旗本退屈男琉球王国の王位継承をめぐる陰謀に立ち向かう。

 佐々木味津三の原作。
 カラー映画で色彩に落ち着いた深みがある。
 一年に一度、薩摩へ琉球王国から貢物(みつぎもの)を持って来る。貢物を家老と次席家老が検分しょうとしたところ、木箱の中から白装束の女が飛び出して、家老へ何かを言おうとしたが、これを見た琉球の使者があわてて追いかけ切り殺した。
 もしや琉球王国のお家騒動をめぐる陰謀か・・・。
 密命を帯びて薩摩に滞在中の早乙女主水之介(さおとめもんどのすけ)別名旗本退屈男が、それを嗅(か)ぎつけた。
 
 薩摩藩の家老・平田監物(薄田研二)と次席家老・大迫庄左衛門(原健策)らが琉球へ政情を探りに船で向かった。
 それを追って旗本退屈男市川右太衛門)がお供を連れ船で後を追い、琉球へと向かうのだった。
 横山エンタツ杉狂児渡辺篤、それに菊路(田代百合子)らが旗本退屈男の補佐をするお供役である。
 里枝(高千穂ひづる)が家老・平田監物の娘で、琉球で国王の幼い王子を、王位を奪う陰謀をもった一味から守っていた。だが、里枝は一味によって非業の死を遂げる。
 一味は、某国の後ろ盾で琉球王国の実権を握ろうとしていた。
 それを知られることを恐れ、一味は家老や退屈男を襲撃したが、退屈男(市川右太衛門)が見事な剣さばきで一味を倒す。痛快なチャンバラ映画である。
 千石規子が巫女役で出演している。 
 菊路(田代百合子)は、退屈男の妹。

 右の写真の左が菊路(田代百合子)、右が百踏(勝浦千浪)