田坂具隆監督の映画『続 親鸞』

 「時代劇特集2014」、田坂具隆監督の映画『親鸞』(1960年、東映京都、147分、カラー)の続篇を観る。
 
 田坂具隆監督の映画『続 親鸞』(1960年、東映京都、127分、カラー)である。
 出演は、中村錦之助、吉川博子、月形龍之介大河内伝次郎
 特集パンフレットより。

 玉日姫への恋心に苦しみながら、道を求め続ける親鸞法然上人の教えに光を見出し、親鸞は玉日姫と夫婦となる決意をする。非難の声が渦巻くなか、親鸞と玉日姫は牛車に乗って法然の禅房へと向かい、田坂具隆監督の「親鸞」二部作はクライマックスを迎える。

 「続 親鸞」は、前篇の「親鸞」の続きで、修行に行った奈良から再び京へ向かう。
 比叡山の飯室谷の無動寺に篭(こも)っていた親鸞の所へ弟の朝麿は父の死を伝えにやって来る。
 朝麿の恋人の梢(こずえ)を奪った盗賊の天城四郎(岡田英次)の一味が寺を襲った最中のことだった。
 親鸞法隆寺にいた時に出会った延暦寺で旧知であった法印聖覚(徳大寺伸)の勧めで法然を訪ねた。
 大勢の民衆が法然月形龍之介)の法話に聴き入る姿と法然のやさしく人々に語りかける様子にたいへん感銘した親鸞が、法然の元へ弟子入りする。
 そして、関白の月輪兼実(千田是也)の娘の玉日姫(たまひひめ)と親鸞の結婚をめぐる場面の描写がダイナミックな映像とドラマで見ごたえがあった。
 比叡山の山中を親鸞が回峰行で歩くシーンがある。
 左から右へと、すたすたと歩いて進むのだが、ススキや松の樹木が過ぎ去る中を親鸞とそれを後から追いかける朝麿のシーンが移動撮影の躍動感が素晴らしい。
 慈円僧正(大河内伝次郎)が玉日姫(吉川博子)と親鸞の結婚を頼みに月輪兼実(千田是也)を訪問する場面、それと法然役の月形龍之介の熟達した演技が印象深い。
 田坂具隆監督はもっと評価されてもいいのではないかと思えた。