人生は喜劇的でなければなりません


 晴れて乾燥している。最高気温21℃、最低気温11℃。
 花の蜜を求めて昆虫が盛んに飛び回っている。
 クローバーの蜜を集めている蜜蜂に、後の脚の先に丸い団子が付いている。これは、何だろう?
 花粉の団子でしょうか。

 中村メイコ著『メイコめい伝』で中村正常について触れている。
 ちょっとその一部を引用してみよう。

 私の映画出演については、両親はずいぶん迷ったようですが、おもいのほか本人は乗り気で、カメラテストなどやらされても全然ものおじすることなく、注文通りに笑ったりベソをかいてみせたということです。 PCL映画には、当時徳川夢声さんをはじめ、丸山定夫さん、岸井明さん、竹下千恵子さん、堤真佐子さんたちがいまして、作品はほとんど喜劇でした。
 だから、気難しい父も私の出演を許してくれたのではないかと思います。父は、いつも、「悲劇はいけませんゾ。人生は喜劇的でなければなりません」 と私たちにいっておりました。父の人生訓というか哲学だったのでしょう。  当時の子役というのは、まるでハンを押したように「母もの映画」に出てくるイタイケない子ども、という役柄でした。おナミダ頂戴映画の、文字通り“子道具”みたいだったのです。父は、この種の子役が大嫌いでした。 104〜105ページ

メイコめい伝

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