高槻真樹著『戦前日本SF映画創世記』を読む2

 高槻真樹著『戦前日本SF映画創世記』の「第五章 楽しき哉! 個人映画」は、いろいろ参考になりました。
 昨年の12月に、全国巡回の「蘇ったフィルムたち〜東京国立近代美術館フィルムセンター復元作品特集」という上映会で、個人映画作家のパイオニアといわれている荻野茂二の作品をまとめて鑑賞する機会がありました。
 そのときに上映された小型映画から復元された作品名は以下の通りです。


 『街』(1930年、14分、白黒、無声)
 『百年後の或る日』(1932年、11分、白黒、無声)
 『RIVER』(1933年、6分、白黒、無声)
 『PROPAGATE(開花)』(1935年、4分、白黒、無声)
 『AN EXPRESSION(表現)』(1935年、3分、彩色、無声)
 『RHYTHM』(1935年、2分、白黒、無声)
 『水の幻想』(1981年、13分、カラー)


 1920(大正9年)にフランスのパテ社から発売された9.5ミリの小型カメラとフィルムとそれを映す映写機が輸入され、個人で映画を楽しめる環境が全国的に広がった時代背景や、また『百年後の或る日』をはじめ、荻野茂二の個人映画のSF的想像力について論じられています。

戦前日本SF映画創世記: ゴジラは何でできているか

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